第5章【新人H君の徹底解剖】持ち運び可能なフリッカー測定機を作ってみる!- 周波数の測定

第4章では、マイコンに光センサを繋いで、オシロスコープと同じように
出力値を数値化できることが確認できました。

【第4章を読む】

し か し・・・

フリッカーを軽減した写真撮影には
フリッカーの周波数が必要となります。。

周波数の計算を自動化できないか思案する新人H君。

新人H君

どうやってマイコン上で
周波数を解析しよう…

博士

そうじゃな、あの手法を
試してみるべしじゃ…フォフォ

頑張る新人H君の姿に感化され、張り切る博士。
一体どんな手法なのでしょうか?

フリッカーの周波数を自動で計算する方法とは?

フリッカーの周波数を自動で計算するための手法…

そ れ は・・・

博士

時間の関数を周波数の関数に
変換するのじゃ…フォフォ

新人H君

フーリエ変換ですね!

フーリエ変換とはデータ解析手法の一つです。
時間から周波数の関数へ変換することができます。

つまり、時系列データに含まれる周波数成分の
解析を行うことができるアルゴリズムです。

し か し・・・

フーリエ変換はディジタル化(離散化)された
データに対して使えない上に、計算量が膨大となるため

コンピュータ上での計算には向いていません。。

●●●を用いて周波数を解析!

それでは、どうやって周波数を解析するのでしょうか?

博士

H君、 FFTは知っとるかの?

新人H君

高速フーリエ変換ですね!

博士

そうじゃ、さすがじゃな…フォフォ

FFT(高速フーリエ変換)はコンピュータ上で
高速にディジタル化されたデータに対し
フーリエ変換
を行うアルゴリズムです。

第4章で構築した環境下で1秒間光センサに対して
第3章で使用した照明器具から光センサに光を照射し、

光センサから取得した電圧を、ディジタル数値化
したものに対しFFTを実行しました。

下記は結果をグラフ化したものです。

新人H君

約200Hz地点で
ピークになってます!

博士

これで、最も強い傾向にある
周波数が分かったのぅ…フォフォ

この結果は第3章でオシロスコープを用いた
結果から導いた周波数とほぼ同じ結果となりました。

FFTを用いることで、マイコンで取得した光センサの信号から
フリッカーの周波数を求めることができることが確認できました。

新人H君

ソースコードはこちら
参考にしました!

今回の実験での学び

備忘録

新人H君

サンプリングの結果に驚きました…

今回FFTを実行したサンプリングデータは、光センサの出力値に対してAD変換のサンプリング周波数を4096Hzで、周期的に実行しサンプリングを行いました。

サンプリングデータにFFTを実行したところ、サンプリング周波数の半分の値である2048Hzを中心として、結果が対象的になる現象を確認しました。

調査すると、対象的に発現する周波数のピークは、アナログ信号からディジタル信号へ変換時に発生する「エイリアシング」と呼ばれる雑音であることが分かりました。

アナログ信号をディジタル信号へと変換する場合は、サンプリング周波数を取得したい周波数の範囲の2倍にする必要があることが分かりました…

博士

標本化定理というやつじゃな…フォフォ

次回は、ついに最終章?!

ポンズちゃんのために、フリッカー周波数測定器が作れるのでしょうか?

次回もお楽しみに!