第4章【新人H君の徹底解剖】持ち運び可能なフリッカー測定機を作ってみる!‐光の強弱の数値化

前回は、LEDとオシロスコープを用いて
フリッカーの正体である光の強弱を波形として
観測することができた新人H君。

【第3章を読む】

し か しー・・・

フリッカーの観測はできたけれど、

助手:ポンズ

オシロスコープなんて家にないよ!

何処からか聞こえてくるポンズちゃんの声…

新人H君

どうしようかなぁ…

博士

H君、そういえばマイコンの
勉強は最近どうじゃ?

新人H君

はっ!!その手があったか…!

新人教育でマイコンを勉強中の新人H君。

家庭でも気軽に測定するために、
マイコンで持ち運び可能なフリッカー測定機が
作れないかと、ふと思いついたようです。

新人H君

博士、有難うございます!

博士

頑張るんじゃぞぅ…フォフォ

マイコンのAD変換でアナログ→ディジタル数値化?

第3章で観測したオシロスコープの波形は、
光センサが出力したアナログ波形ディジタル波形
変換し、グラフ化したものです。

新人H君は、マイコンで光センサから出力された
アナログ値である電圧をディジタルの数値に
変換することにしました。

今回は、マイコンのAD変換という機能を用いて
アナログ信号である電圧をディジタル信号へ変換します。

AD変換を行うことで、連続性を持ち
中間値を持つアナログ信号だった電圧が

離散的で中間値を持たないディジタルの値に変換され
マイコンでも「数値」として扱うことが可能になります。

アナログ信号からディジタル信号への変換イメージ
新人H君

よし、やってみよう!

いざ、マイコンに光センサを繋げてみると…

実際に、マイコンにLEDを接続して
出力される電圧の測定を行う新人H君。

新人H君

今回マイコンのプログラミングには
Mbedを使います!

MbedのAnalogInAPIでは、0~3.3Vの電圧の入力に対して
AD変換を行うと0~1.0の値を返します。

AD変換後の値をAnalogInAPIで取得した結果を
グラフ化すると下記のようになりました。

新人H君

電圧の変化が小さくて
正確な測定が難しいなぁ…

そこで、マイコンを用いてフリッカー測定器を作る場合には、
LEDを光センサとして用いた場合よりも出力信号が大きくなる
フォトトランジスタを使用することにしました。

し か しー・・・

フォトトランジスタは光の強弱に応じた出力として
電圧の強弱ではなく電流の強弱を出力するため、

そのままでは電圧をディジタル信号へ変換する
AD変換で信号を数値化することができません。。

新人H君

数値化…トホホ

博士

ふむふむ。光センサと抵抗器を
直列に繋いでみたかの?

新人H君

はっ!…やってみます!

博士

教え甲斐があるのぅ…フォフォ

博士のヒントをもとに、光センサと抵抗器を直列に繋ぎ、
抵抗器の両端に発生する電位差を測定することで

電流の変動を電圧の変動に変換できるのではないかと
新人H君は推測しました。

下記のような環境で測定を行い、
測定対象として、前回も使用した照明器具(LED懐中電灯)を使用します。

測定結果をグラフ化すると下記のようになります。

新人H君

周期的な波形になっています!

博士

光の強弱がより鮮明に
確認できるのぅ…フォフォ

マイコンを用いた測定でも、オシロスコープを用いた時のように
フリッカーの周期的な波形を測定することができ、

光センサの出力をディジタルの数値化することが
出来ることが確認できました。

新人H君

これで光センサの出力値を
使って演算ができるぞ!

今回の実験での学び

備忘録

新人H君

光の強弱を検出できず失敗!

マイコンでフリッカー測定を行うにあたり、出力がより大きくなるフォトトランジスタに変更しましたが、最初のころは 光センサから出力される値は「電圧」であると思い込んでいました。

そのため、光センサとマイコンを直接接続しても、光の強弱が検出できず焦りました…

博士

センサの出力はしっかりと調べる
必要があるのぅ…フォフォ

持ち運び可能なフリッカー測定機の完成まで、あともう一歩?!
次回もお楽しみに!